アメリカ キンダーガーテンの1年間を振り返る
息子は今年夏からアメリカでの小学校1年生になりました。
2020年の8月~2021年の6月まで、ちょうどコロナに丸かぶりの時期はキンダーガーテンに通っていました。
キンダーガーテンは通常小学校に併設されているため、もともとは公立小学校のキンダーガーテンに通う予定でいました。
しかし、コロナで授業がフルリモートかハイブリッドかということになり(結局ほぼフルリモートに決定)、色々と悩んだあげく別のプリスクールがコロナの期間にインパーソンで始めたキンダークラスに通うことを決めました。
結果、この1年で大きく息子の成長を感じられたこともありキンダーでの生活を振り返ってみようと思います。
キンダーガーテンでの1日スケジュール
公立のキンダーでは毎日午前中で授業が終わりますが、息子が通っていた所では15時半まで。これは、この学校に通わせる多くの親が働いていることを考慮してのことだと思います。また、17時までのアフターケアもありました。
曜日によって変動はありますが15分~30分刻みのこのようなスケジュールでした。
8:30 サークルタイム
9:00 国語
10:10 モーニングスナック
10:30 読み聞かせ
10:45 算数
11:15 外遊び
11:45 国語
12:15 読み聞かせ
12:30 ランチ
13:00 ラーニング・センター(アートやサイエンスなど自分が興味を持ったコーナーで遊ぶ)
14:00 読書(サイレンス・リーディング)
14:15 外遊び
14:45 課外学習(音楽、ヨガ、チャペル、マインドフルネス、PE)
15:00 アフタヌーンスナック
15:30 帰り、アフターケア
授業の内容と使用した教材
算数はGoMath!という教材を利用。Chapter1から10までを1年を通じて終了させます。
1. Represent, Count, and Write numbers 0 to 5
2. Compare Numbers to 5
3. Represent, Count, and Write Numbers 6 to 9
4. Represent and Compare Numbers to 10
5. Addition
6. Subtraction
7. Represent, Count, and Write 11 to 19
8 Represent, Count, and Write to 20 and beyond
9. Identify and Describe Two-dementional shapes
10. Identify and Describe Three-dementional shapes
基礎から繰り返し毎日行うので、それまで何も学んでこなかった数字の読み上げも怪しかった息子ですが1年後にはかなり定着して自信がついた様子です。
最後の方は毎日1から100まで書いた紙を持ち帰っていました。
サイエンスはCalifnornia ScienceのActivity BookとSCHOLASTICのScience Spinを使っていました。
特にScienct Spinの内容は子供新聞のような内容で大人が読んでいても面白いし、学校では映像も見せながら子供が楽しめるようになっています。
SCHOLASTICが他に出しているLet's Find Outも教材として使っていて、ここではアメリカの大統領選挙も5-6歳児にもわかりやすく説明してあり、なるほどこうやってアメリカの子供は選挙に興味を持つようになるのかと大人もへぇ~という内容でした。
そして国語。
まずZoophonicsといってフォニックスの学習法の一つなのですが、主に動物を使ってA-Zの音を身体を使って覚えるというもの。
息子も家に帰ってから、身体を使って動物のまねをしながらAからZまで発音していました。
息子にとってはABCを「エー・ビー・シー」と認識するよりも先に、「ア・ブ・ク」と読むことを覚えたのでないかと思います。
そしてこれが後で単語や文章を読むときにとても役に立ちます。
またこちらのワークブックを使って、アルファベットのトレースから始まり文章を書くようにまでなりました。
息子の場合、まだ文章を書くのは難しいですが、先生が定型文、たとえば「I like XXX because ....」といったものを教えてくれて、それをベースに文章を組み立てるようなことをしていました。
キンダーにあがるまで文字を書くことに興味のなかった息子でも、キンダーになってからは英語で手紙を書きたいという思いが出てくるようになり、「これってどうやって書くの?」と私に聞いてくるまでになりました。
さらにSight WordやWord Familyも毎週やっていたようです。
Sight Word はスペルや発音のルールを何も考えずに目にしただけで即座にわかるような最重要単語のことです。プリスクール(キンダーに上る1年前のPre-Kと呼ばれるクラス)から、学年ごとに覚えるべきSight Wordsがあります。
プリスクールでは約40、キンダーガーテンでは約50のSight Wordsがあります。
Word Families は同じ音の文字列を含む単語の集合(ex, ap, at, ed, ogなど)のことです。
Sight WordsやWord Familyは息子にはまだ理解が追いつかない部分もあるようで、宿題も出ていなかったため親としてもフォローアップ不足だったなと反省しています。
課外活動
P.E (体育)は週3日。その他、息子の学校は教会系のスクールであったためチャペルの時間もありました。またマインドフルネス、ヨガの時間もありました。
イベント
イベントはプリスクールでのイベントと大きくは変わりませんでした。
ハロウィーン
Picture Day
クリスマスパーティ
100th day of School
バレンタイン
St.Pattick's Day
イースターエッグハント
宿題
宿題は毎週3枚程度の数(算数)のプリントが出されました。
このため数に関しては子供の学習状況がよくわかったのですが、その他に関しては把握することが難しかったです。
成績評価とカンファレンス
Evaluationシートが秋と春に渡されます。ここには各スキルに対してA(Almost Always)、W(Working on this skill)、N(Not Yet)の3段階で評価されます。
このようなEvaluationはプリスクール時からあり、その項目は多岐そして細部に渡って書いてあるため子供の進捗がよく分かります。
大項目は以下のようになっています。
Mathmatics(算数) - 20までのカウント、足し算、引き算、図形など
Language, Literacy and Reading(国語)- アルファベットの文字、音の理解、本を聞いた内容を後で説明できる、読解力など
Oral Language Development(口頭言語)- 明瞭に話せるか、きちんとした文章で会話ができるか、語彙や自己表現など
Social and Emotional Development(社会性、情緒的発達)- 相手への気遣いや、強調して物事をおこなえるか。適切な感情コントロールができるかなど
Self Awareness(自己認識)- 自分の名前、年齢が言えるか、ポジティブな自尊心を持っているか
Work Habits(勉強習慣)- 先生の言うことを聞けるか、勉強の集中できるか、自立して行えるか、頑張る力、必要な時に助けを求められるかなど
Fine Motor Development (細かい運動能力)- 鉛筆やハサミのもち方、文字や絵を書く能力
Gross Motor Development (総合運動能力)- 走ったり飛んだり、バランス感覚やボールを使った運動などの身体能力
Physical Development(身体的発達) - 健康的か、視覚、聴覚に問題ないかなど
Special Subjects(特別科目)- Show&Tellや音楽やアート、マインドフルネスといった特別クラスへの参加
大項目だけでもこれだけあります。ここからさらに細かな小項目毎に評価がされます。
そしてEvaluationシートを元に先生と1 on 1でミーティングを持ちます。
秋のカンファレンス時点では、息子も馴染んでいなかったのか、あまり発言をしないといったことを言われ不安になりました。
それが、その後息子も成長し、学校も楽しい様子も伝わってくるようになり、春のカンファレンスでは「1年生にあがっても問題なくやっていけますよ」と先生に言われるまでに。
まだまだ追いついていないところはあることはわかっていても、この時の先生の言葉には本当に本当に救われた思いでした。
最後に
息子は比較的成長がゆっくりのタイプ。言語の習得も鉛筆を持つのも遅い方でした。キンダーに入学した時点では、自分の名前(英語)を書ける程度。
初日の先生からのコメントは”He is a good listener!"という褒め言葉(笑)。
というか、緊張で固まっていたのでしょう。プリスクールの時は先生と意思疎通はある程度できるものの英語をあまり話すことはなかったようです。
それが1年で友達もできて、「○○のおうちに行って一緒に遊びたい!」と言い出すほどに。英語のボキャブラリーも増え、よく話すようになりました。
学習言語としての英語(読み書き)はまだまだですが、それでも学校で学ぶということがどういうことか、本人なりに理解するようになった成長の1年だったのかなと思います。