裁判所からクラスアクション(集団訴訟)の通知がきた話
これはアメリカで働き始めて1年半くらいたった時のことです。
ある日、1通の手紙が来ました。
封筒に何も記載がなかったのでしばらく放置していたのですが
ある時ふと気づいてあけてみると、そこには高等裁判所(Superior Court)の文字が!
高等裁判所からの手紙でした。
血の気がひくのを感じる私。。
私、、何か悪いことしてたっけ、、何か忘れてたことあったかな、、
その当時、Tax Returnの追加支払い請求が来ていたり(2020 Tax Returnまでの長い道のり③ )、州に対しての申請を忘れていたり(2020 Tax Returnまでの長い道のり④)と、バタバタ対応した直後だったので、まだ何か行き違いがあったのかととっさに考えました。
しかし手紙を読んでみると、全く違う内容でした。
そこには、とある訴訟に関する内容が書いてあり、それがクラスアクション(集団訴訟)にまで発展しており、私もその対象として入るといったことが記されていました。
私はその訴訟自体を知らなかったのですが、急いでググってみて、そのような訴訟が実際にある(フェイクレターではない)ことを確認。
そしてさらに驚いたのが、私がこのまま何もしないと、私はそのクラスアクションのメンバーに入ることになると。
えっ、クラスアクションって、アメリカの法廷ドラマで見たことあるけど(集団で弁護士と話をしている風景)
あれに私も参加するってこと!?
手紙にはメリット・デメリットも記載されており、
メリットとしては、もし勝訴すれば損害賠償金が配分として得られる、
デメリットとしては、今後同様のことで個人として裁判をおこす権利はなくなる、
とのこと。
もしそれに不服であれば、同封されたはがきに返信することで、クラスアクションのメンバーから除外することができると。
つまり、私がアクションを起こさない限り、クラスアクションのメンバーに自動的に入ってしまうことになります。
ど、ど、どうしようーーーーー。
このような経験は初めてで、どうすべきかかなり悩みました。
訴訟自体に関しては、私自身が同様の被害にあっているとは言い切れず、正直分からないところがありました。
ただ自分が「不参加」にすることで、この訴訟自体に水をさすようなことは嫌だなと思っていました。
「参加」がデフォルトなんだし、何もしなければ参加なのだから、これが「無難」なのではないかと最初は考えました。(日本的な考え方です、、、)
しかし、よくよく考えてみて、周りを気にするよりも「自分自身が該当する」と感じているかどうかで判断すべきではないかと思うようになり、
そして自分自身として考えた時に、訴訟に加わるほどの被害を受けたと、自分が確信を持って言えないと感じました。
そこで最終的には、不参加とすることにし、はがきで返信しました。
まさか自分が、しかもこんなに早くにアメリカの裁判と関わりになるとは、思ってもみませんでした。
ただこの経験を通じて、2つの点で、「ああここはアメリカなのだな」と強く感じました。
まず一つ目。
詳細なことは書けませんが、訴訟はジェンダーに関わる内容でした。
なので日本だとこれは明らかにおかしいと自信を持って言える人自体が、そこまでいないのではないかと。そういうものと受け入れてしまっている人が多いのではないかと。
そして仮に思っていたとしても、訴訟を起こそうとまではしないのではないかと。
そこはやはり訴訟大国アメリカ。
そして2つ目。
今回は、自らがアクションを起こさないと「クラスアクションに参加」となるものでした。
これは訴訟によって様々であり、デフォルトが不参加というケースもあるのだそう。
しかしいずれを選んでも、メリット、デメリットの両方が存在し、それを個人が考えて決断しないといけません。
日本にいた時は、日常生活でそのような決断を突然せまられる機会というのはほとんどありませんでした。
デフォルト何も決めなくても、周りと同じようにしていれば、普通に生活はできる。
今回のように、状況を理解し、考えて、自分はこっちだ、と納得した決断を出すには、普段の生活で使っている以上のブレインパワーが必要です。
そんなことをつれづれ感じた一件でした。