アメリカで就職したらまずは401kの手続きをした方が良い理由
アメリカで就職したら、企業型年金である401kに加入できるケースが多いと思います。
渡米して、生活基盤もまだできておらず、しかも慣れない場所での仕事、、、
とその他やらなくてはいけないことは盛りだくさん。
401kなどついつい後回しにしてしまいがち。
ですが、なる早で手続きをすることがお薦めです。かくいう私も入社して2ヶ月たってからようやく手続きができたのですが、、、
というのも、401kのメリットがとても大きいから!
私は日本で勤めていた時の会社も日本版401kを導入していたのですが、若い頃はその利点を理解できず10年以上たってから加入しました。
今から考えるともったいなかったのですが、金額が大きくなかったのでそこまで大事だとは思っていませんでした。
アメリカの401kも同じようなものでしょ?と最初は考えていましたが大違い!
ここでは日本版401kと比較もしながら、アメリカ401kのメリットをまとめてみました。
- 401kとは?
- メリット1:マッチングの意味が日本とは違う。マッチングは貰わないと損!
- メリット2:日本よりも預けられる金額の上限が大きい
- メリット3:拠出金額変更や運用商品などサイトで好きな時に変更可能
- Pre-taxとPost-tax
- 401kの注意点
- まとめ
401kとは?
確定拠出型企業年金制度であり、従業員が給与の一部を拠出金として長期投資にまわすことができる退職貯蓄口座のこと。Pre-taxと言って課税される前に拠出に回すことで節税効果が狙える他、雇用主が従業員の拠出金額に応じて(マッチング)掛け金を出してくれます。
401kにはPre-tax以外にもPost-taxがあり、それぞれ年間の上限が決まっています。
メリット1:マッチングの意味が日本とは違う。マッチングは貰わないと損!
日本版401kでは、従業員が給料から掛け金を拠出しなくても、企業側の掛け金はもらえるものでした。
企業側の掛け金に対して、従業員が給与から拠出するのがマッチング拠出といわれるものでした。マッチングするのは従業員側だったわけですね。そして従業員拠出の金額は企業の掛け金を上回ってはいけないというルールがありました。
アメリカの401kでは従業員が拠出した掛け金に応じて、企業側がマッチング拠出するというものです。
すなわち、給料から掛け金を拠出しない限り、企業側のマッチングは得られない、ということになります。
このCompany match(Emploter match)と呼ばれるマッチング制度ですが、通常「従業員が給与のX%まで拠出すると、会社側はX*Y%分を支払う」というルールが会社によって設けられています。
例えばX=6でY=50の場合は、「給与の6%まで拠出した場合には、会社は給与の3%分を支払う」となります。マッチング金額にも上限が定められています。
とにかく、従業員が拠出しない限り、ただでもらえるはずのマッチングがもらえないということになるため、早くに401kを始めた方がお得になります。
メリット2:日本よりも預けられる金額の上限が大きい
日本の企業型確定拠出年金では上限月額5万5000円(会社掛け金+従業員マッチング含めて)まででした。
アメリカでは2021年度でPre-taxに対しては年額上限$19,500(しかも会社側マッチング含めない)、すなわち従業員拠出だけでも月額$1,625と日本の3倍近くを非課税で預けることができます。節税効果が高いです。しかも年々この上限って上がっているのですよね。
さらにこの上限に加えてCompany matchも預けることができます。
50歳を過ぎるとさらに上限が$6,500上乗せされます。リタイアにむけてさらに貯蓄を励めということなのでしょう。
メリット3:拠出金額変更や運用商品などサイトで好きな時に変更可能
私の会社はFidelityを使っているのですが、一度手続きを済ませてしまえば、金額の変更や運用商品の変更などはサイトにアクセスして自由に変更可能です。
通常の投資と同様、景気の動向や運用成績によって運用を変えたいときにすぐにできるのが利点。
日本にいた時は、変更は年に一度、一定期間しか受け付けていなかったので、あまりリスクをとった運用はできませんでした。
Pre-taxとPost-tax
ちなみに401kにはPre-tax以外にもPost-tax(After-tax)と呼ばれるものもあり、この場合は課税対象です。日本版401kは全てPre-taxです。
Pre-taxはお得なのは分かるけれど、Post-taxは?と思われるかもしれませんが、Post-taxで預けたものも、後にコンバージョンすることで利息に関して引き出し時非課税とすることも可能だそうです。そうなると日本のNISAと近いでしょうか(元金は給与から課税されているけれど、利益は非課税という点において)。
この手続きは少しややこしいので私はまだ始めていないのですが、まずは節税効果&マッチング効果の狙えるPre-taxの上限を目指して拠出し、それができたら余剰金はAfter-taxというのが好ましいといえるでしょう。
Pre-tax、Company match、Post-tax合わせると2021年で$58,000が上限となっています。
アメリカでは401kだけ限度額まで拠出しておけば、老後の心配はかなり減るのではないかと思ったりもします。
401kの注意点
Company matchをできるだけもらうようにするには注意が必要です。
さきほど言った通り、Company matchでは「従業員が給与のX%まで拠出すると、会社側はX*Y%分を支払う」というのがルール。
もし毎回の拠出の際(給与が支払われるタイミング)、給与のX%を超えて拠出した場合にはその超過分に対してはマッチングは行われません。
このため、もし年初から高い金額をガンガン拠出してしまうと、マッチングの上限に達する前に、Pre-tax 401kの上限である$19,500に到達してしまうことがあります。
その場合、これ以上従業員拠出ができなくなります。拠出ができなくなる=会社のマッチングがもらえなくなるということ。
このため、従業員の拠出が上限に達する前に、Company matchが上限に達するように毎回の拠出金額を考える必要があるのです。
このマッチングを最大限にもらいつつ、いくら毎月拠出したらよいかが自動計算できるサイトがありますので、参考にするといいと思います。
401k Maximizer (最適な拠出金額を自動計算するサイト)
How do I maximize my employer 401(k) match?
まとめ
アメリカの401k制度全体は、知れば知るほど複雑で奥が深い、、と思います。
全体が分かっていなくてもとりあえずPre-tax分だけでも早々に開始してみるのがおすすめです。
あとで変更も自由にできるので、勧めながら貯蓄をより最適化していくのがよいと思います。
私も年末年始、また見直そうと思っています。