アメリカくっつかない食品用ラップの謎が解けると、これまでのラップが使えなくなった話
食品用ラップ。日本にいた時はなーんの疑問も持たずに使っていました。
ある時、安いからといって買ってきたポリラップ。
くっつきが悪い!使い勝手が悪い!
これは安いからだ!とそれ以来使わないでいたくらい。
そんなことが過去にあったこともすっかり忘れていましたが
アメリカに来て思い出しました。
アメリカでは食品用ラップよりもホイルの方がメジャーなようで、初めはスーパーで探すのに苦労しました。
ようやく見つけたラップですが、使ってみるとくっつきが悪い!それにラップの最初の30センチくらいはぐしゃぐしゃで何かゴミクズらしきものもついているため、最初の30センチは切って捨ててしまっていました。
このくっつきの悪さが非常にストレスフル。
ところがある日、アマゾンで日本製クレラップが販売されているのを発見!
少し値段は高めですが、これは必需品!と思って購入しました。
日本の食品用ラップって優秀だよな~なんて使いながら思っていたのですが、ふと、
「なぜアメリカのラップってくっつきが悪いんだろう?」
と思って調べてみたところ・・・
出てくるわ出てくるわ、食品用ラップにまつわる環境問題とさらには加熱した時の人体への影響の可能性。
そして、なぜアメリカの食品用ラップがくっつかないか(正確にはくっつかなくなったのか)背景がわかりました。
食品用ラップの原材料として以下のものがありますが
・ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride, PVC)
・ポリ塩化ビニリデン(polyvinylidene chloride, PVDC)
・低密度ポリエチレン(low-density polyethylene, LDPE)※無添加ラップと呼ばれるもの
かつてはPVCが主流だったものの、有害性が指摘されるようになりPVDCまたはLDPEが利用されるようになったとのことです。
しかしアメリカではPVCでも残る有害性のリスクから、食品用ラップの会社Saranは2004年にPVDCからLDPEに変更し、アメリカの現在の主流はLDPEなのだそうです。
日本で売られている粘着性の高い食品ラップはPVDC。
アメリカの粘着性の低い食品ラップはLDPEが主流。
SaranはLDPEに変更した当時シェアがかなり下がったとのこと。それでも、顧客を配慮した正しい決断だったと言っています。
ちなみに私が日本で以前使って、くっつきにくい!と感じたポリラップは無添加ラップだったのですね。
単にアメリカ製食品ラップの品質が悪いって話ではなかったんだ。。
知らないって怖い。
小さい頃から家にあって当たり前のように使ってきたラップ。
それに対して疑いをもったことがこれまでありませんでした。
アメリカでくっつかないラップが主流であることを知って初めて調べるきっかけに。
人は、「いつもとちがう」経験をしてみないと、なぜそうなのか?という疑問を抱きづらいのかもしれません。
PVDCでも正しい使い方をすれば、日本の焼却のやり方であれば、ほとんど問題はないという話もあります。
本当にエコを考えるならば密猟ラップなどの再利用可能なラップがいいのでしょう。
でも洗って干したりなどの手間をかけるほどの余裕がないと考える人も多いのでは。
それでもラップによって自分の子供たちの健康に与えている影響の可能性をできるだけゼロにしたい。
そんな風に考えると、くっつかない無添加ラップにも愛着を感じるようになったのでした。